3DプリンタでGoogle Cardboardを作る上で、レンズの焦点距離と、レンズとスマートフォンの距離をどう設計すればよいかを考える必要があります。

スマートフォンVRでは、凸レンズで生成される虚像を用いて拡大を行います。そのため、スマートフォンは、焦点距離の内側に設置する必要があります。

そこで、レンズの焦点距離を44mm、レンズとスマートフォンの距離を40mmで設計したところ、文字がぼやけて表示されてしまいました。次に、焦点距離が60mmのレンズを使ってみたところ、かなりいい感じに表示されました。これで完璧かと思ったのですが、別の人に試してもらった所、逆に、焦点距離が44mmのレンズの方がよく見え、焦点距離が60mmのレンズだと像が2つに見えてしまうとコメントをもらいました。

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どうやら、レンズの最適な焦点距離は、見る人の視力に依存していることが分かってきて、その理由を調べました。その結果、これは、虚像の結像位置の問題ではないかという結論に達しました。具体的に、レンズとスマートフォンの距離をs、レンズの焦点距離をfと置くと、虚像は(fs)/(f-s)の位置に出来ます。つまり、(fs)/(f-s)の位置にある物体を裸眼で見ているのと同じ状態になります。

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実際に、手元にある3つのレンズについて、焦点距離と虚像の結像位置を計算してみます。レンズとスマートフォンの距離sは40mmとします。

レンズ価格焦点距離結像位置
望遠鏡組立キットBK用凸レンズ1枚272円44mm44cm
ダイソーミニルーペ2枚100円60mm12cm
Amazon アーテック 凸レンズ1枚70円70mm9.33cm


焦点距離44mmのレンズでは44cmの位置に結像し、焦点距離60mmのレンズでは12cmの位置に結像します。正常な視力の人は、25cmより遠い位置にある物体しか見ることができないため、焦点距離60mmのレンズでは結像位置が近すぎて、像が2つになります。逆に、強い近視の人は、焦点距離44mmのレンズでは結像位置がやや遠く、文字がぼやけて見えます。

従って、Google Cardboardを作る場合、視力が悪い人はダイソーのレンズで十分ですが、視力がよい人は焦点距離45mm程度のレンズを調達する必要がありそうです。もしくは、焦点距離fを60mmに固定すると、s=5.28cmで、焦点距離44mmのレンズと同じく44cmの位置に結像するので、1.28cm程度、スマートフォンとレンズの距離を離してやるとよさそうです。