アルプス物流は電子部品の物流会社です。複数の部品をまとめて配送する共同配送に強みがあります。インターネット通販の普及によって物流のニーズは増加していますが、宅配などの消費物流は過当競争になっています。対して、電子部品は、一社のセットメーカに納入しようとした場合、膨大な数の部品メーカと契約をしないといけないため、参入障壁が高くなっています。その結果、利益率が高くなっています。

現在の株価は2013年12月9日の段階で1015円、PERは8.37、PBRは0.52、配当利回りは3.45、自己資本比率は57.1です。物流企業は土地や建物への投資が必要なため、借り入れが必要であり、自己資本比率が低くなる傾向があります。しかし、アルプス物流は自己資本比率が極めて高く、財務体質がよく、安心して保有することができます。

メジャーな物流企業を比較したグラフは次のようになります。

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アルプス物流は、PER、PBR、配当利回り、自己資本比率、営業利益率の全ての指標で割安に放置されていることが分かります。日立物流まで成長性が評価されれば、株価は二倍になります。

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アルプス物流の業績推移です。2003年から2013年にかけて、売上は二倍以上に拡大しています。対して、営業利益は伸び悩んでいることが分かります。現在の株価の低調さはこの利益の伸び悩みに起因しているものと考えれれます。しかし、売上は伸びているため、何かきっかけがあって利益率が改善すると、株価も大きく反応するものと考えられます。

アルプス物流は、電子部品、商品販売、消費物流の3つのセグメントを持ちます。電子部品事業は、稼ぎ頭の電子部品の配送・保管事業です。商品販売事業は、電子部品事業のネットワークを活かして、原材料などの販売をおこなっています。消費物流事業は、生協向けの宅配事業となっています。

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セグメント別の売上です。2008年以降は、ほぼ横ばいの売上で、商品販売だけが成長していることが分かります。

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セグメント別の利益と減価償却費です。消費物流事業の利益が競争激化によって低下している分を、商品販売事業の利益の増加で補っていることがわかります。

企業活動において、難易度が高いのが新規顧客の創造です。売上0円と1円は大きく違います。企業と取引をして1円を得るためには、企業の信用調査、契約、取引口座の作成という、大きな壁があります。これは、大企業相手になるほど大変になり、1円の取引があるということは、信用も契約も口座もあるということです。しかし、アルプス物流は、電子部品の配送事業で既に膨大な顧客と集金のネットワークを持っています。配送と一緒に商品を納入して、配送代金と一緒に料金を回収すればよいわけです。携帯電話におけるキャリア課金と同じようなものです。この商品販売事業は実に効率的で、将来的に成長ドライバーになるかもしれません。

また、平成24年の12月に行われた固定資産の売却にも注目です。帳簿価格は3億円の横浜営業所の土地及び建物の一部(2217m2)を8億円で売却しており、5億円の利益が出ています。売却価格は帳簿価格の2.5倍近い価格です。つまり、資産を市場価値で評価した実質的なPBRはもっと低いことが考えられます。

そこで、バランスシートを見てみます。アルプス物流は、145億円分の土地を保有しており、そのうち横浜営業所で40000m2、75億円分の土地を保有しています。神奈川県横浜市港北区新羽町の土地価格を検索すると、m2単価43万円と出ました。これに40000m2を乗じると、帳簿価格の2倍、実に172億円になります。アルプス物流の時価総額は180億円なため、時価総額との差分は8億円です。他に保有する128億円の現金や、残りの70億円分の土地などは合計で8億円程度でしか評価されていないことになります。これは安すぎる評価です。

現在の純資産は366億円でPBR0.52ですが、横浜営業所の土地の含み益の97億円を足すと462億円となり、実質的なPBRは0.41程度となります。また、利益についてもPERは8.37ですが、減価償却が19億円あるため、電子部品事業の利益が成長しないとしても、償却を進めていくだけで、PER5.6程度までは改善すると考えられます。

現在の株価が2倍になったとしても、実質的なPBRは0.82、表面的なPBRは1.04、PERは16.74です。ここまでは、十分考えられるのではないでしょうか。さらに、最近は物流拠点のREITが好調ですので、事業所の一部を流動化することで、さらに実質的なPBRが低下することも考えられます。

配当利回りも3.45%と高いので、上がるのを気長に待てるのも魅力的です。

ということで、当面はアルプス物流に集中的に投資しようと思って、買い集めています。数年後が楽しみです。