イー・アクセス、東宝不動産とTOBされたので、これに続くTOB期待銘柄として、東京ラヂエーター製造に注目しています。東京ラヂエーター製造は、トラックと建機のエンジンを冷却するラジエーター(熱交換器)を製造しています。

自動車業界は長期的に電気自動車に移行していきますが、モーターも熱を持つので、電気自動車になっても、それなりに需要は継続するのではないかと考えています。例えば、日産リーフでは、モータ用とエアコン用に、小型のラジエーターを搭載しています。


もう1つ気になったのが、エンジンルーム(エンジンはないですが)内にリザーバータンクがいくつかあったこと。資料には「ラジエーターがないのでデザインの自由度が高い」というようなことが書いてあるのに……。聞いてみたら、インバーターなどの冷却用にラジエーターは付いてるとのこと。確認してみましたが、普通のガソリン車と同じ位置に、結構大きな(ガソリン車と比べれば小さいですが)ものが付いていました。
日産リーフの発表会



モーター冷却のためのラジエターは当初はフロントエンドに搭載されていたが、現在は軽量化と冷却ラインの単純化を図って、リアエンドに搭載されている。このラジエターはフーガ・ハイブリッドのモーター&インバーター用のもので、重量がありエアコンなどを使うリーフとは違って、小さいサイズでOKとのことだった。
日産「リーフ NISMO RC」


また、東京ラヂエーターはトラックと建機向けですので、パワーを要求されるこれらの業界の電気自動車への移行は、家庭用自動車向けに比べて緩やかに推移すると考えています。

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ラジエーター以外の製品としては、ディーゼルエンジン車から出る排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を減らすEGRクーラーの世界シェアを10%、持っていたみたいですが、今期の在庫に上がってきていないので、実際にどれくらいの売上があるかは不明です。売上の85%はラジエーターな気がします。

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売上の86%は国内で、それ以外は中国です。また、いすゞ自動車向けが40.1%を占めます。

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注目の主要指標は、株価374円に対して、PER5.39、PBR0.40、自己資本比率61.9%、配当利回り2.01%となっています。

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さて、本題の注目ポイントは、土地の含み益です。神奈川県に本社と工場の土地を88254m^2保有しており、簿価12億円で計上されていますが、時価は56億円と、多大な含み益があります。今日の東京ラジエーターの時価総額が53億円ですので、本社の土地だけで時価総額を超えることになります。帳簿上の純資産は119億円なので、含み益44億円を足すと、実質的なPBRは0.29倍になります。2.5倍の株価でTOBをしても、実質的なPBRは0.73なので、買収する側にも利益があります。

東京ラジエーターには、他にも、日産への預け金32億円など、安定的な資産があります。平成24年の有価証券報告書から、流動性の高い資産を抜き出してみます。


安定的な資産:192.5億円
 現預金:11.5億円
 売掛金:90億円
 預け金:32億円(日産へ)
 土地:56億円(簿価12億円)
 投資有価証券:3億円(いすゞ株)


負債の合計は92億円なので、引くと、かなり安全側で計算した純資産の額が出ます。実際には、これ以外にも建物や機械設備の資産があります。


純資産:102.5億円
時価総額:53億円(374円)


ということで、安全側で計算しても、株価2倍の可能性は十分考えられますね。尚、土地の値段は、所有面積88254m^2に、公示時価64000円/m^を乗じて計算しています。

さらに、東京ラジエーターは、バランスシート的に割安なだけでなく、PERも5.3と極めて低いです。これにより、毎年、キャッシュが積み上がっていきます。TOBされないにしても、増配は期待できるのではないでしょうか。

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ちなみに、過去、リーマン・ショックで一時的に赤字を出していますが、その額は極めて少額で、次の期には立て直してしまう経営の安定性も素晴らしいと思います。

親会社は、カルソニックカンセイで、40%を保有しています。上場子会社というのも、親子上場解消の動きで妙味があっていいですね。