マンション系で久々に素晴らしい本に出会ったのでレビューです。「マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく」、不動産の売買履歴が分かるサイト、住まいサーフィンを運営する沖有人さんの本です。



マンションにおいて、賃貸が得か、購入が得かというのは永遠の議論で、ケース・バイ・ケースというのが大抵の本の結論なのですが、この本では、うまく物件を選ぶことで購入が圧倒的に得になると説いているのが新しいです。

理論としては簡単で、10年後に購入時と同じ価格でマンションを売却できた場合、10年間、無料でそのマンションに住めたことになります。全額、現金でマンションを購入していた場合、投資資金に対して、家賃分だけ配当が得られたことになります。さらに、住宅ローンを組んで財務レバレッジをかけることで、自己資本に対するその利回りは数倍となり、10%近くの利回りも現実的になるというものです。

例えば、秋葉原では、TokyoTimesTowerパークタワー秋葉原TowerResidenceTokyoの3物件が、分譲価格よりも高く取引されており、これらの物件を購入した人は、売却することで、無料で住むばかりでなく、むしろお金をもらって住んでいたことになります。

後は、いかにして、値崩れしない物件を選ぶかという話になります。ここが本書の充実している所で、住まいサーフィンに蓄積された売買履歴データから、立地や駅距離、マンションの階数、坪単価などに応じて、得した人の割合と、損した人の割合が掲載されており、このデータを見ながら物件を選択することで、値崩れしない確率を上げることができるようになっています。(住まいサーフィンにも類似のデータがあります)


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ポイントは、高額物件ほど希少価値が維持される確率が高く、不動産は安物買いの銭失いになりやすいという点です。従って、適正な範囲で、最大限の住宅ローンを組むことが、結果的にはリスクを低下させます。直感的にはリスクを最小化させるために、出来るだけ少ない住宅ローンを組みたくなってしまいます。しかし、このようなオペレーションでは、将来的に物件の値下がり確率が上がり、結果的にはリスクを上げてしまっていることを示唆しています。

もちろん、今後は、人口減少社会なので、日本全体として、長期的には不動産への需要が減っていくのは確実です。しかし、都心回帰・職住近接の流れがあり、それにインフレも加わるため、都心部に限っては、比較的、安定した需要が期待できるのではないでしょうか。

全ては自己責任なのですが、このように不動産をうまく活用して、資産形成していくのも一つの戦略かなと思います。

ちなみに、投資用不動産への投資は総合課税の税金分だけ利回りが低下するため推奨できず、自己居住の実需向け不動産に特化した方が税金も掛からず、利回りが高くなると明言されています。株式投資の次のステップとしては、投資用ではなく、自己居住の不動産の方が面白そうです。