毎年恒例のIGポート株主総会レポートです。場所は例によって国分寺のIGビル近くの国分寺労政会館4F第5会議室です。参加人数は昨年と同様40人ぐらい。最初に業績不振のお詫びがあり、定例の事業報告、その後、質疑応答に入りました。回答は石川社長、長谷川執行役員、下地取締役です。というか長谷川執行役員ってもともとマッグガーデンに入社してて、買収とともにIGに入社という形になってるんですね。

タツノコの株式取得効果はどのようなものか?

タツノコはガッチャマン、ヤッターマンなどの原作を持っている。IGポートとして非常に有利な価格で株式を取得した。石川が経営にも参加するということで、タツノコ原作のIGポートでのアニメ化、コミック化をしていきたい。また、タカラトミーとの協業も水面下で動いている。

不景気に強い会社になる必要があると思うが、今後の経営戦略は?

コスト削減、管理体制の強化、事業領域の拡大を三本の柱としていく。コスト削減では、役員および部長以上の給与を20%カットし、総額1億5000万のコストを削減する。管理体制の強化では、IGの予算管理を強化するために制作部を二部制にした。事業領域の拡大では、DVDに依存しないビジネスモデルとしてOLMと提携しファミリー層を狙っていく。海外戦略においては、スパイダーマンのプロデューサーでもあるアヴィ・アラッド氏との関係を強化していく。

今回の決算ではXEBECの貸倒損失の比率が大きい。与信はどうなっているのか?債務保証会社は使わないのか?

(XEBECの下地取締役の回答)今回の劇場作品では、制作委員会->制作会社->XEBECと、孫請けの形になっている。最初に制作委員会からXEBECに話が来ており、制作委員会には信頼できる大企業が多かったため、制作会社への与信が甘くなってしまった。制作委員会から制作会社へは全ての代金が支払われていたが、元請けである制作会社の管理がずさんだったのが今回の問題。アニメ業界の慣例に従って、支払いは分割しており、制作会社からXEBECへは最初は支払いがあったが、次第に滞り、今回の減損に繋がった。制作委員会への交渉は今後も行っていく。

(石川社長の補足)今回、下地取締役と二人で話し合って、下地取締役がきちっとした責任を取りたいということで、下地取締役のIGポート取締役退任となった。今後はXEBECの取締役として一致団結してXEBECの業績を向上させていく。

本社移転について、デメリットは?

一カ所でやるのは長年の夢。長い間、物件を探していたが、350人以上収容できる物件はなかなか見つからなかった。今回ようやく、450坪、400人以上収容できる物件が見つかった。デメリットとしては短期的には引っ越し費用だが、3年後には利益が出てくる。アニメーターの引っ越し費用もデメリットだが、契約金で補うことで努力している。一カ所でやりたいというのは、そもそもはアニメータからの要望。分散した拠点で作っていると、自社の作品を作っているという一体感がなくなる。

ポジティブな見通しを発表してほしい

近々、ポジティブなリリースをさせてもらう。業績見通しを3年後に向けて作っている。

OLMとの関係について

下地取締役が退任するということで、経営を強化するにはどうしたらよいかを考えた。現在、IGは子供向けが弱い。OLMの奥野さんはイナズマイレブンやポケモン等の子供向けで成功している。奥野さんの意見をIGの経営に取り入れることで、成功例を注入したい。現在、アニメ業界でもデフレが進行しているがどうしたらいいかと奥野さんに尋ねたら、シェアの拡大であると回答された。シェアを拡大できれば、権利主張ができるようになる。そういった流れで、奥野さんに取締役に入ってもらった。

ProductionIGの映像事業が赤字になったが、その要因は何か

一番大きいのは、東のエデン劇場版が、60分2作品から、90分2作品になり、2本目が延期になったこと。予算を超過し、赤字になった。数字だけを見るとTVアニメを劇場でやるのは厳しいということになるが、今後、DVDが売れなくなる中で、ライトユーザにいかにお金を払ってもらうかというのが重要になる。そういう意味では、ネットでも海外でも話題になっているエデンは強い。今後は何とかライトユーザにお金を落としてもらえないかを考えていく。その方策の一つが自社配信。携帯電話向けのバサラの着せ替えコンテンツ配信で、実際に数字が出てきている。

なぜ新社屋にピザ屋なのか?

倉庫や駐車場など、いろいろと検討したが、社員の福利厚生も兼ねてカフェにした。自社経営で、運営を委託する形になっている。評判もよく、1日に数十万円売り上げており、投下資本は回収可能だと考えている。

シンガポールとの映画製作はどうなっているのか?

相手先の事情により、いったん中止となった。そもそもはIPを一緒に作ろうという話。実際に1千万を頂き、脚本作業まで進行したが、そこで中止となった。IGとしての損失はない。シンガポールとは、改めて別の座組で企画が進行している。

ホッタラケは回収できたのか?

海外次第だが、中期的には回収できると考えている。海外では3Dのキャラクターが評価されている。また、複数の賞を頂いている。

タツノコの親会社のタカラトミーにはインデックスの資本が入っているが、インデックス傘下のマッドハウスと競合しないのか?

タカラトミーをインデックスホールディングスは手放している。現在、タツノコの株主構成は、ファンド・タカラトミー・当社の三社であり、競合は発生しない。

3D(立体視)映画は作らないのか?

まだ発表されてないが、某メーカと組んで準備している。

OLMが子供向けに強いという話であるが、それは原作の力ではないのか?

原作付きの子供向けをきちっとビジネスにしているというノウハウがあると考えている。

宮本武蔵の現状は?

100カ所を超える映画祭に出店している。実験的な映画。予算は限界まで落としている。出資者からすればすばらしいリターンというわけではないが、宣伝効果も考えると悪くはない。ただ、押井守の次回作は出資者にも大きく還元できるものを、と監督と話している。

持ち株会社体制だと販管費が高くないか?事業部制にした方がよいのではないか?

XEBECの間接部門は3人であり、マッグガーデンも上場廃止に伴いコンパクト化した。IGポートは監査役と石川以外は無給。兼任している事業会社から報酬を受け取る形にしている。販管費の比率は高くないと考えている。

DVDの価格が高額ではないか?

DVDの価格は弊社だけでは決定できないが、ビデオメーカにそのような意見があることを伝え、買いやすい価格にしていきたい。

この後、議決をして終了。おみやげはありませんでした。

雑感

何より驚いたのが、シンガポールのストームライオンとの共同制作であるTITAN RAINの制作が中止されていたことです。



IGについて知りたいならこの一冊。



IGの現在の事業部について知りたいならこの一冊。バサラ、君に届けで最近話題の中武哲也プロデューサについてはPA worksのインタビューとかもどうぞ。ちなみにAngelBeats!やCANAANのPA worksの社長の堀川さんは元IGです。レベルファイブさんといい、デジタル化に伴って地方に拠点を置いた企業が最近元気ですね。