1.最初におおまかに作ってから細かく作っていく

対照的な例としては、最初から細かく作り、順に最後まで作り進めていく方法がある。RPGの例でいうと、ゲームのオープニングから順に、作りこんだダンジョンを一つずつ作っていく方法。

最初におおまかに作ってから細かく作っていく方法では、とりあえず1フロアぐらいの適当なのでいいんで全部のダンジョンを作っていって、仮絵で敵を入れる。そうして数十分の短いのでいいんで、オープニングからエンディングまで一通り遊べるゲームの骨組みを作る。その後、個々のダンジョンや素材を作りこんでいく。

このような方法を取る理由は、モチベーションの性質にある。一般にモチベーションは最初高くて次第に低下していく。順に作りこんでいく方法だと、モチベーションが高い時に作った最初のダンジョンのクオリティに引きづられて、後のダンジョンで手抜きができなくなる。そして、終わりの見えない作業の前に、投げ出してしまう。

最初におおざっぱに作って、細かくしていく方法だと、モチベーションがなくなったときには適当にまとめて、リリースしてしまえる。さらに、骨組みがあるので、後どのくらいの作業をすれば終わるのかを見積もれる。そのため、終わりが見えなくなる事がない。

モチベーションがなくなった時に、適当に実装してリリースすることができるというのは、思いのほか精神にやさしい。その結果、追い詰められることなく作業を進めていける。10人のキャラクターを描かないといけないのに、最初の1人でリテイクをくらいまくり、苦労のすえラフを完成させ、そしてゲーム中のドットまで完成させた後、残り9人も描くのか…この苦労を9人…と思うことの恐怖!対照的に、最初に10人分のラフを完成させ、最悪、このラフを縮小して使えばいいや、と思えることの素晴らしさ。そうした環境の下でこそ、各々をブラッシュアップしていける。終わりの見えない仕事ほど辛いものはない。


2.重要な部分から作る

時々、MMORPGの開発とかで街から作る人がいるけど、あまりオススメできない。いきなり、マイホームシステムとか作るのとかさらにありえない。

何でかというと、ダンジョンだけで構成されるRPGとか、街が適当なゲーム(ルイナとか)は許容されるけど、街だけで戦闘が無いRPGとかありえない。(もちろん、企画のメインが街なら別だけど)

これも(1)と同じことなんだけど、つまり、ゲームとしてなくてはならない部分から作って、それ以外の要素は後から作ろうということ。そうすれば、いつでも街なんてとって付けて完成させられる。

普通の仕事でも、作らなければいけない部分のまわりのツールから作ろうとする人がいるけど、そういう人は得てして仕事が遅い気がする。仕様変更の作業量を気にせず、とにかく作って、作って、作る。それがコツ。修正の作業を気にしながら仕様が固まるのを待ってメインに手をつけないような方法では、延々に仕様は固まらず、結果、仕事は終わらない。作ってみなければ分からない仕様もある。


3.情報を公開しない

ゲームの詳細をBLOGに随時公開しているゲームや、現在の開発中VERを随時公開しているようなゲームで完成したものを見たことがない。これは、ゲームの情報を公開した時点で、そのゲームは自分の中で既に過去のものになり、制作する気がなくなるからだ。

ゲームだと分かりにくいが、文章だと分かりやすい。推敲する前に一度投稿した文章を、さらに推敲して更新していく気がするだろうか?その文章は投稿した時点ですでに過去になる。


4.技術書を買わない

技術書は必要となったときに初めて買うべきだ。理由は、技術書を買い、技術を学んだ時点でゲームを作った気になってしまうからだ。それに、今必要でない技術を真剣に学ぶかというと疑問が残る。大抵の技術書は、さらっと眺めただけでただ本棚に並ぶ。

その技術が本当に必要になったとき、あらゆる技術書に当たる時に、初めて身になる技術を取得できる。作って、作って、作って、行き詰ってはじめて学ぶ、作って、作って、作る。そうして数をこなすことこそが創作の近道だ。



という事で、自分の中での過去の完成しなかったゲームへの啓発も込めてまとめてみました。

後、話は変わるけど、この前の飲み会で、

「うちの会社のシェアが他社に食われないのは、他社が本気でないからだ。適度な市場規模なので、ベンチャーだと体力的に参入できないし、かといって大手は他にメインの事業があるので、とりあえず第二の保険程度に参入しとく程度しかリソースを裂かない。結局、本気でやるかやらないかが、シェアを取れるか取れないかだ。」

みたいな話を聞いて、あー確かにと思った。もちろん、うちの10倍の人数を割いて、利益率度外視で並列化しまくって実装した場合の話だけど。

エイバースに当てはめて考えると、ページの目玉としてゲームがすでにあるので、検索エンジンとかはあくまで副として考えてしまって、結局そこまで本気にならずにそこそこのもので止めてしまう。勝負は対抗相手ではなく、それをどこまでメインとして本気でやるか、という心意気なんだな、っと。そんな歓迎会後の二次会でした。

そして、荒削りでも魅力ある個人の創作物がさらに出回ることを願って。